ハローワークの適職診断とは?テストの種類やネット活用・実績にする方法

ハローワークの適職診断とは「自分に合う仕事」を見つけるための無料テスト
自分の「能力・興味・価値観」から向いている職業がわかる
ハローワークの適職診断では、様々な面から「どんな仕事が自分に合うか」を知ることができます。
単純な能力・適性を計測するだけではなく、興味関心や価値観をもとにした分析を受けられるのが特徴です。
適職診断は複数用意されているため、何個か同時に受けてみると向いている職業の傾向も掴みやすいでしょう。自分では気付いていなかった適職候補が見つかることも少なくありません。
ハローワークに登録すればすべて無料で受けられる
適職診断を民間企業や個人で受けようとすると、数千円かかることも珍しくありません。しかし、ハローワークで実施されている適職診断はすべて無料で利用できます。
求職登録さえしていれば誰でも受けられるため、気軽に適性を知ることができるのは大きなメリットといえます。
「まず自分に向いている仕事を知りたい」という段階の人でも活用しやすいサービスです。
診断テストの後に職員から客観的なアドバイスがもらえる
ハローワークの適職診断は、結果を見て終わりではありません。診断後に職業相談を受ければ、結果の見方や活かし方についての具体的なアドバイスをもらえます。
「適性はあるが未経験なので職業訓練を活用した方がいい」「似た適性を活かせる別の職種もある」といった提案を受けることができ、さらに仕事探しの視野を広げられるでしょう。
ネット上の適職診断は結果だけ表示されることがほとんどですが、ハローワークでは第三者の視点で結果を解説してもらえるため、より実践的に仕事探しへ活かしやすいのが特徴です。
ハローワークで受けられる適職診断の種類と特徴
能力から適性を測る「一般職業適性検査(GATB)」

一般職業適性検査(GATB)は、仕事で必要となる基礎的な能力を測定する適性検査です。言語・計算・図形・照合など11種類の課題を通して、客観的に能力を把握できます。
「数理能力」「書記的知覚」「空間判断力」などの職業適性能力が細かく数値化され、自分の強み・弱みが分かります。
ただし、具体的に「適性のある職種」のような結果は出ません。診断結果から「この能力を活かせる職種は何か」を分析することで、初めて仕事探しに役立つ情報になります。
興味・関心から適職を見つける「職業興味検査(VPI)」

引用:日本文化科学社
職業興味検査(VPI)は、「どのような仕事に興味を持ちやすいか」を調べる診断です。
数多くの職業名に対して「やってみたい」「興味がない」といった回答を繰り返し、自分の興味・関心の傾向を分析します。
診断結果には、全体で160個程度の職種から自身の興味パターンに近いものが表示されます。能力を測る内容ではないので、「やりたい仕事が見つからない」という段階の方に向いている検査といえるでしょう。
職業選択の志向をチャート化する「職業レディネステスト(VRT)」

引用:雇用問題研究会
職業レディネステスト(VRT)は、職業選択に対する考え方や準備状況を診断するテストです。
興味や自信、職業理解などに関する質問へ回答することで、「職業への関心」「自己理解」「職業理解」といった、仕事をする準備がどの程度できているかをチャート形式で確認できます。
能力検査ではない点は職業興味検査(VPI)と似ていますが、こちらは「仕事そのものに対する心構え」を確認するような内容になっています。そのため、「若者向けの進路相談」としても運用されることが多いです。若い世代や、キャリアチェンジでゼロから自己分析したい方に適しており、今後の求職活動の進め方を決めるためのヒントになるでしょう。
価値観も含めて総合的に診断できる「キャリア・インサイト」

引用:労働政策研究・研修機構
キャリア・インサイトは、能力・興味・価値観・行動特性などを総合的に分析する、厚生労働省が提供するキャリア支援システムです。
検査項目が多い分、診断結果もかなり長くなるため、基本はハローワークの職員と共有して相談する前提の検査といえるでしょう。
一人で診断結果を分析していくよりも、結果を見慣れている職員のアドバイスを受けながら適性を確かめていくのがおすすめです。
ハローワークで適職診断を受けるための4ステップ
窓口で「求職申込み(求職登録)」を済ませる
窓口または電話で適職診断の「事前予約」をする
予約当日にハローワークへ行きテストを受診する
診断結果シートをもとに職員と面談(職業相談)をする
①窓口で「求職申込み(求職登録)」を済ませる
ハローワークで適職診断を受けるためには、まず求職登録が完了している必要があります。求職登録とは、「仕事を探している人」としてハローワークの支援サービスを利用するための手続きです。
登録は窓口で行うのが基本ですが、ハローワークインターネットサービスから事前に仮登録だけしておくこともできます。氏名や住所、希望職種などを登録し、本人確認が済めば求職登録は完了です。
既に求職登録を済ませている方は、このステップは飛ばすことができます。ただし、「以前登録していて久しぶりに利用する」という場合、登録情報が消えている可能性もあるので、問題なくログインできるか確認しておきましょう。
②窓口または電話で適職診断の「事前予約」をする
求職登録が完了したら、適職診断の予約を行いましょう。適職診断の予約は、窓口または電話で行います。希望する診断の種類が決まっている場合は伝え、そうでなければ「どの程度の種類や時間で受けたいのか」だけでも相談しておくと良いでしょう。
当日の混雑状況やハローワークの規模によっては、パソコンで回答するタイプの診断であれば、窓口の職業相談のついでにその場で受けさせてくれる場合もあります。
しかし、実施している診断の種類はハローワークによって異なるため、予め確認しておくことをおすすめします。
また、強く希望する適職診断が最寄りのハローワークで受けられない場合は、別のハローワークへ連絡してみるのも良いでしょう。
③予約当日にハローワークへ行きテストを受診する
予約当日になったら、ハローワークへ行って適職診断を受けます。入口に近い窓口で名前と用件を伝えれば、すぐに案内を受けられるでしょう。
診断方法は種類によって異なり、パソコンで回答するものもあれば、紙の用紙を使うものもあります。
所要時間は検査ごとに異なり、短いものでは30分程度、本格的な検査では1〜2時間以上かかる場合もあります。しかし、厳格に行われるテストというわけではないので、トイレなどで途中離席することは可能です。
適職診断に合格・不合格といった要素はありません。良い結果を出そうと考えず、自分の考えや興味に沿って素直に回答することが大切です。
④診断結果シートをもとに職員と面談(職業相談)をする
適職診断が終わったら、通常は結果シートをもとに職員との職業相談へ進むことになります。
ここでは、結果を額面通りに読んでいるだけでは気付かないような「興味・能力の傾向」や、「向いていそうな職種」などのアドバイスを受けられます。
適職診断の結果はいずれも長々とした文章や細かいグラフで記載されるため、自分一人で読み解くのは難しいこともあります。ハローワークの職員と一緒に読んでいけば、結果をよりシンプルに理解できるようになるでしょう。
また、診断結果に合った求人の探し方や職業訓練の活用方法など、具体的な次の行動について相談することも可能です。診断結果を受け取るだけで終わらせず、職業相談まで受けて今後の仕事探しに活かしましょう。
ハローワークへ行かずにネットで受けられる適職診断
厚生労働省の「job tag」で本格的な類似診断が無料で受けられる
ハローワークへ行く時間がない方には、厚生労働省が運営する「job tag」の利用がおすすめです。パソコンやスマホから、無料で自己診断ツールを試せるサイトとなっています。
job tagでは、「職業興味検査」「仕事価値観検査」「職業適性テスト(Gテスト)」「しごと能力プロフィール検索」といった、複数のサービスを利用できます。
ハローワークで受ける適職診断に近いレベルの自己分析が可能で、結果をしっかり読み込めば十分に代用できる内容です。
job tagは登録なしでも利用できますが、アカウント登録をしておくと以前に受けた分の結果も確認できるようになります。何度か診断を受けてみたり、複数の診断結果を見比べたい場合は、登録しておくことをおすすめします。
スマホで手軽にできる民間の「適職診断ツール」も複数ある
適職診断は、スマホでも手軽に受けられる民間のサービスも数多くあります。数分で回答できるものも多く、通勤時間や休憩時間などのスキマ時間で気軽に利用できます。
民間サービスは、「性格タイプ」「強み・弱み」「向いている職種」などをシンプルにまとめてくれるものが多く、初めて自己分析をする方でも結果を理解しやすいのが特徴です。
一方で、精密さではハローワークやjob tagの診断に一歩及ばないことも多いため、なるべく複数の診断結果から総合的に判断するようにしましょう。
ハローワークやネットの適職診断を120%活かす3つのコツ

適職診断は、ただ受けただけでは再就職には結びつきません。診断結果からわかったことをどう活かすかまで考えて、行動に移すことが大切です。
ここからは、ハローワークやネットで受けた適職診断を最大限活用するための3つのコツを紹介します。
複数の診断結果をかけ合わせて「共通する強み」を見つけ出す
適職診断は、1つだけ受けた結果を鵜呑みにしないことが重要です。
受ける適職診断によって、最終的に「向いている」と表示される職種はバラバラになることも頻繁にあります。質問内容や判定基準が異なるため、複数の診断で結果が完全に一致することはありません。
そこで注目したいのが、それぞれの診断に共通して現れる要素です。例えば、「人と関わるのが好き」「サポート役」など、複数の診断結果で共通する特徴が見つかれば、それが自分の一番の強みである可能性が高いでしょう。
こうした「どの診断結果にも共通している強み」を見つけるのが、適職診断を受ける上で意識しておきたいポイントです。
診断された「適性職種」の中から興味のある業界を調べる
診断結果に表示された適性職種は、その求人をいきなり探すのではなく「実際にはどのような仕事なのか」を調べてから応募を検討しましょう。
具体的な仕事内容や必要なスキル、働き方などを知らないままで応募しても、選考突破は非常に厳しいものとなります。適性のある職種や業界を調べてみて、改めて自分がやりたいと思える仕事へ応募することが重要です。
例えば、適性があるのが「事務職」だったとしても、一般事務・医療事務・経理事務などによって仕事内容は異なります。こうした業界事情を整理した上で、興味を持てそうな職種を定めてから求人を探していくことをおすすめします。
ネットの診断結果をハローワークに持参して職員の客観的な意見を聞く
ネットの適職診断を受けた場合でも、その結果をハローワークへ持参して相談することができます。
ネットの診断結果は自分だけで分析することになるため、「本当に自分に向いているのか」「結局自分は何が強みなのか」が不透明なまま終わってしまうことも珍しくありません。
そこで、ハローワークの職員に意見を聞いてみることで、自分では気付けなかった傾向を見つけられることがあります。特に、job tagなど公的な適職診断の結果は、効果的な判断材料になるでしょう。
ハローワークの職員は、様々な求職者の採用事情を見てきています。診断結果には表れない、実態も踏まえた客観的な意見を聞くことができるでしょう。
ハローワークの適職診断は求職活動実績になる?

窓口で受けて「職業相談」まで行えば実績になる
適職診断は、単体では求職活動実績としては認められません。しかし、セットで行われるのが一般的な「職業相談」は、実績として問題なく認められます。
自分から希望していなくても、診断後に職員から結果の説明や職種の提案を受けたりした場合は、「職業相談を受けた」ものとして扱われるでしょう。
特にGATBやVPIなどの検査は、結果を受け取って終わりではなく、その後の面談までセットで実施されることが少なくありません。
自宅で受けたネットの適職診断は実績として認められない
job tagや民間サイトの適職診断は、あくまで自己分析のツールです。ハローワークの定める「求職活動」には含まれていません。
求人検索や企業研究に役立てることはできますが、失業認定のための実績作りには活用できないため、注意しましょう。
一方、診断結果をもとに職業相談をすれば、こちらも求職活動の実績として認められます。
厳密な基準は自分が住んでいる地域のハローワークに確認しよう
求職活動実績として認められるかどうかの判断基準は、地域ごとに多少の違いがあります。「適職診断の後の面談が職業相談に含まれていない」といったケースも考えられるため、事前に確認を取っておくと安心です。
「求職活動実績にしたい」と伝えても、対応が冷たくなったり拒否されたりすることはありません。予約する時や診断の前に尋ねてみると良いでしょう。
求職活動実績の数が足りないと、失業保険の振込が1ヶ月後ろ倒しになってしまいます。実績の数がギリギリの方は要注意です。
適職診断の結果を活かして効率的に仕事を探そう!
ハローワークの適職診断は、自分の能力や興味、価値観を客観的に分析し、向いている仕事を見つけるための便利なサービスです。求職登録をして予約すれば無料で利用でき、診断後は職員から具体的なアドバイスを受けることもできます。
また、ハローワークへ行く時間がない場合は、厚生労働省のjob tagや民間の適職診断ツールを活用する方法もあります。複数の診断を受けて共通する強みを見つけたり、結果をもとに業界研究を進めたりすることで、より納得感のある仕事選びにつながるでしょう。
適職診断は、受けること自体が目的ではありません。診断結果を求人探しや職業相談に活かしてこそ、本当の価値があります。自分に合った仕事を効率的に見つけるためにも、診断結果を次の行動につなげていきましょう。