ハローワークの採用証明書とは?再就職手当をもらうための提出手順と正しい書き方

採用証明書は「再就職が決まったこと」を証明する重要書類
失業保険を止めて「再就職手当」を申請するために必要となる
採用証明書には、「再就職が事実であること」をハローワークへ証明する役割があります。
再就職手当は誰でも受け取れるわけではなく、雇用保険の残り日数や就職先の雇用条件など、複数の要件を満たす必要があります。
こうした要件を確認するために、ハローワークでは採用証明書の提出を必須としているのです。再就職手当をもらう上では欠かせない書類のため、再就職が決まったらすぐに準備を始める必要があります。
手元に用紙がない・なくした場合は公式サイトから印刷できる
採用証明書を紛失した場合でも、慌てる必要はありません。採用証明書はハローワークで再発行してもらうことが可能です。
また、厚生労働省や各ハローワークが公開している採用証明書フォーマットをダウンロードして印刷することもできます。場所によってフォーマットは多少異なりますが、公的な様式であればどれを使っても問題ありません。
就職先へ記入を依頼する前に用紙をなくしてしまった場合は、まず管轄のハローワークへ相談しましょう。
就職が決まってから再就職手当をもらうまでの流れ
就職が決まったらハローワークへ報告して「採用証明書」を用意する
採用証明書を新しい会社へ郵送し、記入後に自宅へ返送してもらう
返送された採用証明書をハローワークへ提出し、窓口で「再就職手当の申請書」を受け取る
入社後に「再就職手当の申請書」を会社に書いてもらい1ヶ月以内に提出する
手続き完了から1〜2ヶ月後に指定口座への振り込みを待つ
①就職が決まったらハローワークへ報告して「採用証明書」を用意する
採用(再就職)が決まったら、まずは管轄のハローワークへ報告をしましょう。報告は必須ではありませんが、今後の流れを職員に確認してもらえば安心して手続きを進められます。
手続きの流れを確認した後は、「採用証明書」を用意しましょう。こちらは「受給資格者のしおり」に添付されている他、ハローワークの公式サイトからダウンロードすることもできます。
採用証明書は、原則として「入社日の前日まで」にハローワークへ提出する書類です。期日に間に合うよう、早めに準備を始めておきましょう。
②採用証明書を新しい会社へ郵送し、記入後に自宅へ返送してもらう
採用証明書には、「本人記入欄」と、「事業主記入欄」があります。このうち、「事業主記入欄」となっている部分は、自分で記入してはいけません。
本人記入欄だけ記入した採用証明書を再就職先の企業へ送り、企業側で「事業主記入欄」を埋めてもらうことになります。
通常は、採用担当者へメールなどで一報を入れた上で郵送し、記入後に返送してもらう流れになるでしょう。企業によっては、入社書類と同封して郵送しても問題ないこともあります。
なお、採用が決まる前に採用証明書の記入を依頼することはできません。内定や採用通知が来た後にのみ記入してもらうことができます。
③返送された採用証明書をハローワークへ提出し、窓口で「再就職手当の申請書」を受け取る
企業から採用証明書が返送されたら、管轄のハローワークへ提出しに行きましょう。提出後に再就職手当の申請書類を受け取るため、採用証明書は原則としてハローワークの窓口へ直接持参して提出します。
提出した採用証明書の内容に問題がなければ、今後の手続きに必要な「再就職手当支給申請書」などの書類が交付されます。
ここで渡される申請書類を全て提出すると、再就職手当を受け取ることができるようになります。交付される際の説明はしっかり聞き、書類も丁重に保管しましょう。
④入社後に「再就職手当の申請書」を会社に書いてもらい1ヶ月以内に提出する
再就職手当支給申請書は、採用証明書と同様に「本人記入欄」「事業主記入欄」に分かれています。
ただし、採用証明書とは異なり、こちらは「入社後に会社に書いてもらう書類」です。そのため、出社した際に採用担当の部署へ手渡ししても構いません。郵送よりもスピーディに手続きを済ませられるでしょう。
その後、再就職手当申請書が企業から返却されたら、再就職手当の必要書類が揃います。欠けている書類がないか確認して、ハローワークへ提出しに行きましょう。
支給申請書は、就職日の翌日から1ヶ月以内に提出するのが望ましいです。制度上は2年以内であれば受給はできますが、時間が経つほど企業側での確認作業も煩雑になります。入社後、なるべく早めに記入を依頼することをおすすめします。
⑤手続き完了から1〜2ヶ月後に指定口座への振り込みを待つ
申請書類を提出すると、ハローワーク側で再就職手当の支給要件が満たされているか審査が行われます。審査結果に問題がなければ、指定した口座へ再就職手当が振り込まれることになります。
振込時期はハローワークや審査状況によって異なりますが、一般的には申請完了から1〜2ヶ月程度が目安です。数日程度で振り込まれることはありません。
なお、提出書類に不備があると、再提出や追加の書類を求められたりして、さらに振込が遅くなります。早めに手当を受け取るためにも、事前の確認を徹底しましょう。
【見本付き】採用証明書の正しい書き方

引用:ハローワーク墨田
求職者本人の記入欄には「支給番号」などの基本情報を書く
求職者本人が記入する主な項目は、支給番号や氏名・住所などの基本情報です。多くのフォーマットでは「本人記入欄」と明記されています。
支給番号とは、失業保険の受給資格者証に記載されている番号のことを指します。雇用保険の被保険者番号と間違えて記入しないよう注意しましょう。
また、氏名と住所は住民票・本人確認書類と一致する内容で記入する必要があります。建物名や部屋番号の有無なども含め、正確に記入することが大切です。
会社が書く「事業主記入欄」は白紙のまま触らずに残す
会社側の情報や採用日などの項目は、求職者本人が記入してはいけません。これらは「事業主記入欄」にあたり、会社に書いてもらう必要があります。
自分で書けそうな箇所があっても決して記入せず、空欄のまま採用先へ送付しましょう。
中途半端に記入してしまうと、修正や再提出が必要になる可能性が高いです。間違って事業主記入欄まで書いてしまった場合は、新しい記入用紙に書き直すことをおすすめします。
企業に採用証明書の記入を依頼する2つの方法

①内定後にメールで一報を入れてから郵送するのが一般的
採用証明書の記入は、上記のような流れを参考に依頼しましょう。いきなり郵送するのではなく、まずは採用担当者へメールで連絡しておくのが一般的です。
採用証明書を送る際は返信用封筒も同封し、最小限の手間で済むように配慮しましょう。
また、既に入社手続きに関する書類が届いていれば、それらとあわせて送付するのもおすすめです。企業としても、一通で複数の用件を済ませてくれた方が手間が少ないでしょう。
②入社日が直前の場合は、持参して採用担当部署へ直接手渡す
入社日まで日数がない場合は、採用証明書を郵送せず、直接持参して依頼する方法もあります。
特に、入社説明会などで会社へ行く予定がある場合は、そのタイミングで採用担当者へ手渡すのが良いでしょう。
ただし、採用証明書はその場で記入を済ませられる書類ではありません。手渡しであっても、返送まで数日はかかることが一般的です。
そのため、期日を過ぎてしまうケースも想定し、次の「間に合わない時の対処法」までチェックしておくと安心です。
採用証明書が「就職前日まで」に間に合わない時の対処法
採用証明書は就職前に準備しておくのが理想ですが、企業側の手続き状況によっては入社日までに返送されないこともありえます。
こうした場合でも、ただ返送を待つのではなく、自分でできる対処をしておくことが大切です。ここからは、採用証明書の準備が間に合わない時にするべき2つの対処法を紹介していきます。
提出が遅れると分かった時点でハローワークへ電話する
採用証明書の返送が間に合わないことが分かったら、その時点で管轄のハローワークへ連絡を入れましょう。今後の手続きを教えてもらえたり、提出期限の調整などを図ってくれます。
この時、「企業には送付済み」「返送予定日が分かっている」など、手続きの進捗もあわせて伝えると、より的確な指示をもらえるでしょう。
採用証明書の提出が間に合わないというケースは少なくありません。数日遅れても、すぐに再就職手当が受け取れなくなるわけではないので、焦らず相談してみましょう。
採用証明書の代わりに「雇用契約書」や「内定通知書」を窓口に出す
ハローワークによっては、採用証明書の代わりとして「雇用契約書」「内定通知書」などの書類を提出するだけで済む場合があります。
こちらは全国で一律に運用されているわけではなく、一部のハローワークでのみ明記されている措置です。そのため、必ず代用できるとは限りません。
さらに、証明書として代用できる書類の種類も、ハローワークによって異なります。最初から代わりの書類を持ち込むのではなく、先に「○○で代用できますか?」と相談しておきましょう。
なお、別の書類で代用する場合、原本の提出を求められる可能性があります。雇用契約書など、手元に残さないと困ることもある書類は、コピーを控えておくと安心です。
ハローワークへ採用証明書を提出しなくていい3つのケース
採用証明書は再就職手当を申請する際に必要となる書類です。そのため、「そもそも再就職手当の申請を行わない」という場合は、提出する必要がありません。
3つのパターンで、採用証明書が不要な場合を確認しておきましょう。
残り日数の不足などで「再就職手当の受給要件」を満たさない場合

再就職手当には、上記のようにいくつかの受給要件があります。主に注意したいのは、「一定以上の支給残日数が残っていること」「1年以上働く見込みがあること」の2点です。
再就職手当を受け取るには、支給日数が当初の3分の1以上残っていなければなりません。例えば、「180日」の支給日数で受給を開始した場合、その3分の1にあたる「60日」が残っている必要があります。
また、短期・単発のアルバイトや、数ヶ月~半年ごとの契約更新の見込みがないケースは、「1年以上働く見込み」には含まれません。雇用形態に制限はありませんが、長期雇用の見込みがない場合は再就職手当の支給対象外となります。
その他にも細かい条件があり、全てクリアしていなければ再就職手当は受け取れません。これらの要件を満たしていない場合は、再就職手当の申請は不要です。
過去3年以内に再就職手当を受け取ったことがある場合
過去3年以内に再就職手当を受給している方は、原則として再就職手当の支給対象外となります。この場合も、採用証明書の提出は不要です。
ここでいう3年とは、前回の再就職手当の支給が決定された日ではなく、「再就職した日」が基準となります。
例えば、「2026年の10月1日」に就職予定の方は、「2023年の10月1日」以降に就職した場合の再就職手当を受給していると、支給対象外となります。
もらえる手当が少ないため「申請を見送る」場合
再就職手当の支給額は、失業保険の残り日数や基本手当日額によって決まります。前職の賃金や再就職のタイミングによっては、数万円程度しか受け取れないケースもあるでしょう。
前述の通り、再就職手当を受給すると、その後3年間は再受給することができません。そのため、「次回の退職時のために権利を残しておきたい」という方は、あえて申請しない選択肢もあります。
もちろん、再就職先で3年以上務めることになれば、「受け取った方が得だった」という結果にはなってしまいます。しかし、再就職先の賃金が高ければ、次回の再就職手当も高くなりやすいため、検討する価値のある選択肢といえるでしょう。
再就職手当をもらうために採用証明書を用意しよう!
採用証明書は、再就職が決まったことをハローワークへ証明し、再就職手当をもらうための重要書類です。就職前に企業へ記入を依頼し、返送されたらハローワークへ提出する必要があります。
採用証明書には本人が記入する項目と企業が記入する項目があるため、「事業主記入欄」まで自分で書いてしまわないよう注意しましょう。
また、採用証明書の返送が間に合わない場合でも、ハローワークへ相談することで柔軟に対応してもらえます。どんな状況でもなるべく早めに行動し、滞りなく再就職手当を受け取れるようにしましょう。